たった140円でプチ旅行!大回り乗車で鉄道の旅を楽しもう

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たった140円でプチ旅行!大回り乗車で鉄道の旅を楽しもう
「暇だからちょっと遠い所へぶらっと出かけてみたいけど、お金がないしなぁ…」
そんな方は、鉄道に乗ってのんびりと旅行しませんか?
「えー、でも電車に乗るのってお金かかるでしょ?」
心配無用、なんとジュース1本程度のお金でいろんなところに行けちゃうんです。
今回は140円でできるプチ旅行、大回りをご紹介します。
大回りとは
大回りは鉄道ファンの間でよく知られている鉄道旅行方法の一つで、JR各社の運賃計算の特例を利用することで最低140円で色々な場所を回れるというものです。
この特例はJRのみに存在するため、ほとんどの私鉄ではできません。
なお、大回りは鉄道ファンが作った造語でJRの中で正式に制度として設けられているわけではありませんが、多くの駅員さんはこの制度のことを知っていますので、有人改札や車内検札の際に「大回り」と説明すればほぼ通じます。
しかし、駅員さんに説明するためにはこの運賃計算の特例について正しい知識を持っていなければなりません。
運賃計算の特例って?
JRの路線には、「大都市近郊区間」が設定されているエリアがあり、このエリア内においては、運賃計算は最短の経路で計算するという特例があります。
例えばJRの渋谷駅から新宿駅に向かうルート(運賃160円)を下記の3ルートで通ったとします。
ルート1:渋谷駅-(山手線・埼京線・湘南新宿ライン)-新宿駅 最短6分
ルート2:渋谷駅-(山手線を品川方面に乗って一周近くして)-新宿駅 最短50分
ルート3:渋谷駅―(湘南新宿ライン)-武蔵小杉駅-(南武線)-立川駅-(中央線)―新宿駅 最短90分
この中ではルート3がもっとも運賃が高くなりそうに思えますが、最短の経路で運賃を計算する近郊区間の特例が適用されるため、ルート2も3も最短のルート1をたどったとみなされ、運賃は全て160円で計算されます。
大回りはこの特例を利用した乗車方法です。
しかし、どんなルートでもOKというわけではなく、いくつかの条件を満たさなければ特例が適用されません。
大回りが可能な条件とは
大回りの特例が適用されるのは、以下の条件を全て満たしている場合のみです。
- 近郊区間のエリア内のみ
出発駅、通過駅、到着駅いずれも近郊区間内であることが必須です。
なお、近郊区間は東京、新潟、仙台、大阪、福岡の5エリアのみに設定されており、それ以外のエリアでは大回りはできません。
大都市近郊区間の範囲はJR各社のホームページや時刻表に掲載されています。
- 同じ駅を再度通ることはできない
一度通過した駅は二度と通ってはいけませんし、交差してもいけませんし、当然戻ってもいけません。
つまりは、路線で一筆書きをするものだと思ってください。
- 途中下車はできない
途中で駅の外に出たいなと思っても、出てはいけません。
出た時点で大回りの特例は消滅し、そこまでの運賃を払わなければなりません。
これらの条件を満たさなければ大回りとはならず、場合によっては不正乗車とみなされて運賃の3倍の金額を払う可能性がありますので注意してください。
近郊区間エリア内の路線を一筆書きしながら乗車する というのが大回りの基本です。
当然ですが、大回り時には乗ってきた駅で降りることはできません。そのため、どの駅から大回りを開始するかを考慮しておきましょう。
なお、切符は発行から一定時間を超えると自動改札を通れなくなります。長時間の大回り後に自動改札でエラーが出たら、有人改札に回り、駅員さんに切符を見せて大回りルートを説明する必要があります。
駅員さんにうまく説明できるようになるためにも、大回りのルールは覚えておきましょう。
どうやって楽しむの?
駅弁やお菓子を食べながら車窓を楽しむ、エキナカを食べ歩く、ゆったりと読書を楽しむ、とさまざまな楽しみ方があります。
琵琶湖沿いを走る湖西線。湖西線は大回りが可能な近郊区間
それでいながら交通費は最低140円で済むので、暇つぶしとしてのコスパは高いのではないでしょうか。
ちょっと贅沢をしたいなと思ったら、特急やグリーン車も使うこともできます。シートに電源コンセントを備えているものもあり、スマホやタブレットなどの充電ができます。
もちろん特急料金やグリーン車料金が別途必要になりますが、先述の大回りの特例を守っている限り、運賃は最低140円のままです。
おすすめのエキナカ
エキナカを色々と見て回れるのも大回りの楽しみ方の一つ。
各地にあるエキナカを巡ってみる目的で大回りを計画するのもいいでしょう。
関東地方の大回り時に通る頻度が高い駅の中からおすすめのエキナカをいくつか紹介します。
東京駅
日本を代表するターミナル駅なだけあって、圧倒的な店舗数を誇るのが東京駅。
名物駅弁や各地の特産品はもちろんのこと、ブランド物やグルメを堪能できる店も揃っています。
東京駅の駅弁屋
多くは期間限定で出店しているため、数ヶ月ごとに顔ぶれが変わるのもポイント。何度も訪れたくなります。
大宮駅
東京駅に勝るとも劣らない規模のエキナカ。
東北・山形・秋田・北海道・北陸・上越の各新幹線の分岐駅なだけあって、これらの行先に関係する名産フェアをよく開催しています。
また、有名店が期間限定で出店することもあり、定期的に覗いてみるのも楽しいエキナカです。
立川駅
それなりの規模のエキナカで、すし屋、サンドウィッチ屋、うどん屋、コーヒーショップ、チャーハン専門店などの食べ物系の店舗が充実しており、小腹を満たしたい時や一息つきたい時に最適。
千葉駅
チープながらクセになるうまさと税抜500円というコスパの良さが売りの名物駅弁「トンかつ弁当」、ハマグリを焼いた「やきはま弁当」などの駅弁がおすすめ。
また、つけ麺「とみ田」が出店しているため、有名店の味を駅構内で味わえるのもポイント。
我孫子駅
鉄道ファンの間では有名な我孫子駅の立ち食いそば屋「弥生軒」。
丼を覆うかのような巨大から揚げが載ったから揚げそばが一番人気。
名物・から揚げそば
から揚げそば食べたさに我孫子駅を訪れる人は後を絶ちません。
高崎駅
峠の釜めしで有名な「おぎのや」が駅構内に店舗を構えており、炊き立てホクホクな釜めしを楽しめます。
全国的な知名度を誇る峠の釜めし
鶏めし弁当やだるま弁当など、ご当地駅弁の多さも特徴的。
また、ホームにある立ち食いそば屋「八起屋」は愛好家が多く、ここのそば目当てに訪れる人もいるほどです。
関東地方のおすすめ大回りルート
最後に、関東地方のおすすめ大回りルートを2例紹介します。
なお、東京都心から大回りを始めるなら、秋葉原駅がおすすめです。
東西南北の四方向に路線が走っているのと、大回りの降車駅候補となる神田駅、御茶ノ水駅、御徒町駅、浅草橋駅はいずれも秋葉原駅から徒歩10分程度と徒歩圏内にあり、大回りの始発として最適なのです。
ただし、新宿方面に向かうルートを通るなら、秋葉原駅よりも御茶ノ水駅から始めるのがおすすめです。
以下、大回りの代表的なルートを2つほどご紹介します。
所用時間は大体の目安を記載していますが、平日と土日祝、出発時刻などによって大きく変わってきます。前もって時刻表でダイヤを確認しておきましょう。
東ルート
千葉方面に向かうルート。
内房線や外房線は東京湾や太平洋の海を車窓から楽しめるので、海を感じたい方に最適です。
房総半島は特急が走っており、ダイヤが合えば特急券を購入して乗ることで時間短縮ができます。
(ルート例:約8時間)
秋葉原
| 総武線 千葉方面
千葉:駅弁が揃っており、弁当を買うならここで
| 内房線 館山・安房鴨川方面
安房鴨川
| 外房線 上総一ノ宮・千葉方面
大網
| 東金線 成東方面
成東
| 総武本線 千葉方面
佐倉
| 成田線 成田空港方面
成田
| 成田線我孫子支線 我孫子方面
我孫子:駅ホームの立ち食いそば「弥生軒」のから揚げそばが大人気!
| 常磐線 上野・品川方面
上野
| 山手線/京浜東北線
御徒町
ルート例
(もう少し回ってみたい方は…)
成東駅で銚子方面に向かう総武本線に乗り、松岸駅で成田線の千葉方面に乗り換えて成田駅に向かうという延長ルートを取ることもできます。
少なくとも所要時間が2時間増えますが、住宅街と田園風景が広がるだけで見所はあまり多くありません。
なお、この延長ルートでは絶対に終点の銚子駅に向かってはいけません。
松岸駅は成田線の駅でもあるため、銚子駅に向かって折り返すように成田線に乗り換えると松岸駅を2回通ることになり、一筆書きが崩れて大回り不成立となってしまいます。
必ず1駅前の松岸駅で成田線に乗り換えましょう。
南ルート
南ルートは自由度がかなり高く、経路次第で手短な大回りから大掛かりな大回りまで楽しめます。
同じ140円でもさまざまな路線を楽しめるのがメリットですが、ルートによってはビジネス街ばかりを走るため、車窓を楽しむには不向きな場合があります。
南ルートは多くのパターンが考えられますが、そのうち、東京都、神奈川県、群馬県、栃木県、茨城県、千葉県、埼玉県の関東地方一都六県を回れてしまうルートの一例を紹介しましょう。
ダイヤにもよりますが、このルートを逆から辿っていく「北ルート」でも一都六県を回ることが可能です。
(ルート例:約13~14時間)
秋葉原(東京都)
| 山手線/京浜東北線/東海道線 横浜・熱海方面
茅ヶ崎(神奈川県):途中の横浜駅で降車して崎陽軒シウマイ弁当を買うのもアリ
| 相模線 橋本・八王子方面
八王子(東京都)
| 八高線(電化) 高麗川・川越方面
高麗川(埼玉県)
| 八高線(非電化) 高崎方面
高崎(群馬県):名物駅弁の峠の釜めし、だるま弁当が買える!
| 両毛線 栃木・小山方面
小山(栃木県):駅構内にコーヒーチェーン店があり、一息つけます
| 水戸線 下館・水戸方面
友部(茨城県)
| 常磐線 上野・品川方面
新松戸(千葉県)
| 武蔵野線 府中本町方面
西国分寺(東京都)
| 中央線 東京方面
御茶ノ水(東京都)
ルート例
いかがでしょうか?
ほぼ一日がかりで一都六県を通るのに、運賃は何とわずか140円しかかかりません。
高麗川から先の北関東の鉄道はほとんど混雑しないため、ゆったりとした鉄道の旅を楽しめます。
食事ができるエキナカ、駅弁を買える駅が多いので空腹の心配はいりません。
また、疲れたなと思ったら途中でプチ旅行を切り上げ、大回りのルールを崩すことなく容易にスタート地点に戻れるのも大きなポイントです。
例えば高麗川駅から川越線、倉賀野駅(高崎駅まで行くと一筆書きが崩れるためNGとなります)から高崎線、小山駅から宇都宮線、といった路線で戻ることができます。
上記に挙げたのはほんの一例です。
路線図や時刻表と突き合わせながら、自分なりの大回りルートを編み出し、安いプチ鉄道旅行を楽しみましょう。