引っ越しに伴う電気の手続きまとめ【電話の仕方やよくある質問も解説】

目次
引っ越しをするときには、電気・ガス・水道の引っ越し手続きをしなければなりません。これらの手続きを忘れてしまうと、引っ越してから電気・ガス・水道が使えなかったり、旧居の使用料金を支払わなければならなかったりとトラブルが発生します。
本記事では、引っ越しに伴うライフラインの手続きのなかで「電気」にフォーカスして解説していきます。
また、電気の引っ越し手続きでよくある質問や、電力会社への電話の仕方についてもご紹介しますので、これから引っ越しをしようと考えている人はぜひ最後までご覧ください。
引っ越しに伴う「電気の手続き」はいつからやるの?
引っ越しに伴う電気の手続きは、引っ越し日の「1〜2週間前」に行いましょう。
手続きは「電話」または「インターネット」から行います。電話の場合には引っ越し当日でも手続き可能ですが、インターネットから手続きする場合には「引っ越しの3日前まで」などと期限が設けられている可能性もあります。
どちらにしても、引っ越し当日は荷物の搬出・搬入やガス開栓の立ち会いなどでバタバタしてしまうため、余裕をもって1〜2週間前に済ませておきましょう。
引っ越しに伴う電気の手続き方法
次に電気の引っ越し手続きについて、詳しい方法を解説していきます。引っ越しするときは、以下2つの電気の手続きが必要です。
・退去するときに行う「使用停止手続き」
・入居するときに行う「使用開始手続き」
一つずつ見ていきましょう。
退去するときの手続き方法
【電気の使用停止手続き】
手続きの方法 | ・電話
・インターネット |
連絡する場所 | ・契約している電力会社
※連絡先は領収書や検針票に記載されている場合があります |
準備するもの | ・お客様番号がわかるもの
※領収書や検針票 |
聞かれること・答えること | ・現住所、新住所
・氏名 ・お客様番号 ・退去日(停止日) ・退去日までに発生する電気料金の支払い方法 |
立ち会いの有無 | 不要 |
引っ越し当日にやるべきこと | ・荷物の搬出が完了したら、万が一の事故に備えてブレーカーを落とす
※寒冷地の場合、ブレーカーを落とすと配管内が凍結し破裂する危険性があるため、電力会社に前もってブレーカーの操作方法を確認しておきましょう。 |
退去するときには、引っ越しの1〜2週間前までに現在契約している電力会社へ「電気の使用停止手続き」を申し込みます。電話やインターネットから申請可能です。手元には電気料金の領収書や検針票などを準備して、お客様番号がわかる状態で手続きを進めましょう。
原則的に、手続きの期限はありませんが、使用停止手続きをし忘れていると、引っ越したあとも旧居の電気料金を支払うことになるため注意が必要です。また、引っ越し先が現在契約している電力会社の管轄地域だった場合には、入居するときに行う「電気の使用開始手続き」を同時に行うことができます。
入居するときの手続き方法
【電気の使用開始手続き】
手続きの方法 | ・電話
・インターネット ・新居に備え付けられた「電気使用申込書」を記入し郵送する |
連絡する場所 | ・これから契約する電力会社
※連絡先は各自お調べください |
準備するもの | ・契約する電力会社が変更になる場合には特に必要なし |
聞かれること・答えること | ・新住所
・氏名 ・申し込み予定の電気料金プラン ・入居日(開始日) ・電気料金の支払い方法 |
立ち会いの有無 | 不要 |
引っ越し当日にやるべきこと | ・電気の使用開始手続きを郵送で行いたい場合には、備え付けの電気使用申込書を記入して郵送する |
次に、入居するときに行う「電気の使用開始の手続き」をご説明します。この手続きは、事前に行わなくても新居の電気が使えるようになっている場合が多いでしょう。そのため、引っ越し当日までに済ませなくても大丈夫です。
使用開始の手続きを引っ越し当日に行う場合、新居のポストや玄関、ブレーカーの近くに備え付けられている「電気使用申込書」を記入して郵送してください。これは、支払い方法などの登録を行うためです。もしも電気使用申込書が見当たらない場合には、電力会社に電話してみましょう。
ただし冒頭でも述べたとおり、引っ越し当日はやるべきことがたくさんあります。このため、事前に使用開始手続きを済ませておいたほうがよいでしょう。また、使用停止手続きと同じく、手続きの期限は特にありません。しかし、いつまでも使用開始手続きを行わなければ、トラブルに発展する可能性もあるため早めに行いましょう。
電話の仕方
ここでは電気の引っ越し手続きを電話で行いたい人へ、電話の仕方を具体的な会話例でご紹介します。「電話でなんて伝えればいいんだ?」と悩んでいる人は参考にしてください。
【新旧居の電力会社が同じ場合】
担当者:お電話ありがとうございます。〇〇電力の〇〇です。どのようなご用件でしょうか?
あなた:電気の引っ越し手続きをしたいのですが。
担当者:かしこまりました。恐れ入りますが、お客様番号がわかる領収書や検針票などをお持ちでしょうか?
あなた:はい、番号は〇〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇〇です。
担当者:ありがとうございます。現在のご住所は〇〇市〇〇でお間違いないでしょうか?
あなた:はい、間違いないです。
担当者:次に引っ越し先のご住所を教えていただいてもよろしいでしょうか?
あなた:はい、〇〇市〇〇です。
担当者:ありがとうございます。では最後に、旧居での電気の利用停止日と、新居での利用開始日を教えていただいてもよろしいでしょうか?
あなた:利用停止が〇月〇日、利用開始が〇月〇日になります。(引っ越し日を伝える)
担当者:かしこまりました。教えていただきありがとうございました。お手続きは以上になりますがご質問はございますか?
利用者:(疑問点がなければ)特にありません。
【新旧居の電力会社が違う場合(旧居での手続き)】
担当者:お電話ありがとうございます。〇〇電力の〇〇です。どのようなご用件でしょうか?
あなた:電気の使用停止手続きをしたいのですが。
担当者:かしこまりました。恐れ入りますが、お客様番号がわかる領収書や検針票などをお持ちでしょうか?
あなた:はい、番号は〇〇〇〇ー〇〇〇〇ー〇〇〇〇です。
担当者:ありがとうございます。現在のご住所は〇〇市〇〇でお間違いないでしょうか?
あなた:はい、間違いないです。
担当者:ありがとうございます。最後に、電気の利用停止日を教えていただいてもよろしいでしょうか?
あなた:〇月〇日です。
担当者:ありがとうございました。お手続きは以上となりますが、何かご不明点などはございますか?
あなた:(疑問点がなければ)特にありません。
【新旧居の電力会社が違う場合(新居での手続き)】
担当者:お電話ありがとうございます。〇〇電力の〇〇です。どのようなご用件でしょうか?
あなた:電気の使用開始手続きをしたいのですが。
担当者:ありがとうございます。利用開始をされるご住所と日にちを教えていただいてもよろしいでしょうか?
あなた:はい、住所は〇〇県〇〇市〇〇で、利用開始日は〇月〇日です。
担当者:ありがとうございました。お手続きは以上となりますが、何かご不明点などはございますか?
あなた:(疑問点がなければ)特にありません。
【Q&A】引っ越しに伴う電気の手続きでよくある質問
続いて、電気の引っ越し手続きでよくある質問とその回答をご紹介します。
電気の引っ越し手続きは立ち会いが必要?
前述のとおり、電気の引っ越し手続きにおいて立ち会いは不要です。退去時・入居時には、自分自身でブレーカーを落としたり上げたりしましょう。なお、引っ越しに伴うライフラインの手続きには、電気のほかにガスと水道があります。このうちガスの引っ越し手続きでは立ち会いが必要ですので覚えておきましょう。
電気の手続きを忘れてた!新居で電気は使えない?
電気の引っ越し手続きを忘れていたとしても、新居では電気を使用できます。この場合、先にもご説明したように、電気料金の支払い方法を選ぶために新居に備え付けられている「電気使用申込書」を記入して郵送しましょう。
また、退去時の使用停止手続きを忘れていた場合には、引っ越したあとも旧居の電気料金を支払うことになるため注意が必要です。
「旧居の電気はもう使用していないのに、なぜ電気料金が発生するの?」と疑問に感じる人も多いでしょう。それは電気料金に「基本料金」が含まれているからです。電気料金の内訳は、主に次の5つに分類できます。
- 基本料金
- 電力量料金
- 燃料費調整額
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金
- 適用される割引
このうち、基本料金は電気の使用有無に関わらず、毎月必ず発生する料金です。そのため、使用停止手続きを行わなければ、電気を使用していなくても基本料金の請求が来てしまうので注意しましょう。
月の途中で引っ越しするけど、電気料金はどうなるの?
月の途中で引っ越しした場合、電気料金は「日割り計算」されます。
たとえば、4月15日に引っ越しすると仮定しましょう。最後の検針日から引っ越し当日である4月15日までの電気料金が日割り計算されます。また新居の場合には、引っ越し当日である4月15日から最初の検針日までの電気料金が日割りで算出されます。
旧居の電気料金の支払い方法を「クレジットカード」、または「口座振替」に設定していた場合は後日、同じ支払い方法で日割り計算された料金の支払いが可能です。納付書で振り込んでいた場合には、引っ越し当日に電力会社の担当者が訪問するため、その場で現金払いしましょう。
新居では契約アンペアの容量を大きくしたい!どうしたらいいの?
旧居で複数の電化製品を同時に使って、何度もブレーカーが落ちてしまった経験がある人も多いかもしれません。これは契約アンペアの容量が足りていないために起こっていると考えられます。そのため、契約アンペアの容量を変更すれば、複数の電化製品を同時に使用してもブレーカーが落ちることは少なくなるでしょう。
契約アンペアの変更は、契約している電力会社に連絡して工事してもらう必要があります。変更工事は、基本的に無料です。ただし、賃貸の場合には勝手に依頼せず、管理会社や大家さんに必ず確認してから電力会社に依頼しましょう。
引っ越し手続きをしたのに電気がつかない!なんで?
新居で行う電気使用開始手続きを済ませたにもかかわらず電気がつかない場合には、ブレーカーが落ちている可能性があります。
洗面所や廊下などに設置されているブレーカーのところまで行き、下記の手順で操作してください。
- アンペアブレーカーをオンにする
- 漏電遮断器をオンにする
- 配線用遮断器をオンにする
これで電気がつくはずです。もしもつかない場合には、ほかに原因があるため電力会社に問い合わせてみてください。
引っ越しは電気の契約会社を見直すきっかけになる!
引っ越しは、電気の契約会社を見直すきっかけになります。普段から固定費などを見直している人は、すでに安い電力会社に乗り換えているかもしれません。しかし面倒に思って最初に契約した会社のまま、電気料金を支払っている人も多いでしょう。
たとえば、今よりも安い電力会社と契約すれば、年間で2〜5万円程度の出費を抑えられる可能性もあります。これだけの出費を抑えると、支払うはずだったお金を家族との外食費や貯金に回すことも可能です。
現在では「電力の自由化」が一般化されており、さまざまな会社で電力の小売事業が行われています。そのため、電気の引っ越し手続きを行う際に、自宅で使う電力量を把握して、今よりも料金が安くなる会社がないか探してみましょう。
具体的に安い電力会社を探す方法は、「エネチェンジ」や「価格.com 電気料金比較」などで調べてみてください。
電気の引っ越し手続きは余裕をもって行おう
電気の引っ越し手続きは、引っ越し当日でも行えます。しかし、当日には荷物の搬入出やガス開栓の立ち会いなどがあり、忙しくなってしまうケースも多いでしょう。電気の引っ越し手続きを忘れてしまうとトラブルに発展する可能性もあるため、余裕をもって「1〜2週間前」に済ませておくことをおすすめします。
また、手続きをするまでに余裕があれば、契約する電力会社の見直しも可能です。ぜひ固定費を下げて家族との時間を増やしたり、貯金したりと有意義にお金を使いましょう。
なお、電気の引っ越し手続きが済んだら「ガス」と「水道」の手続きも同時に行いましょう。それぞれの手続き方法は、下記の記事で詳しくご紹介しています。
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